規模の経済と範囲の経済|ミクロ経済学(2)-1
利潤最大化の説明をしたところで、もう少し言葉の捕捉をしたい。
規模の経済
規模の経済について聞いたことがある人もいるだろう。
簡単な例で、この言葉を使った例を上げるとすると、
「大企業は規模の経済が働いて価格を安くできる。」
といった具合だ。
その認識はまちがってないが、経済学での定義は少々ニュアンスが違う。
経済学での定義はこうだ。
「生産量とともに平均費用が下がる時、規模の経済が働いている」
逆に
「生産量とともに平均費用が上がる時、規模の不経済が働いている」
という。
それでは、平均費用とは何だろうか。
これは、よく考えれば小学生でもわかる。
平均なんだから、総費用を個数で割ればいい。
つまり、生産量でわるんだ。
総費用=固定費+可変費用
平均費用 =(固定費+可変費用)/ 生産量
となる。
前回でてきた、総費用が逆S字になる想定を思い出してほしい。
その想定を前提にすると、横軸に生産量を取った時、平均費用曲線は、下に凸のU字型になる。
この図で行けば平均費用曲線が右下がりの生産量(左半分)では、規模の経済が働いているが、右上がりの生産量(右半分)では規模の不経済が働いていることになる。
逓増と逓減
「逓増」この字を読めるかい?
おそらく、あなたは IME手書きパッド を使ったことだろう。
これは「ていぞう」と読む。同じように逓減という言葉もある。
意味は、数量がしだいに増える(減る)ことのようだ。
わざわざ難しい感じ使わないで増加でいいじゃないか!
と思ってはいけない。私だってそう思ったが(笑)
でも、この”しだい”にというのがミソだ。
規模の経済が働いていることを、「収穫逓増」という
つまり、収穫(おそらく利益)が次第に増えるということを意味する。
この言葉はとりあえず、覚えておいたほうがいい。
範囲の経済
規模の経済に似た言葉で、
「範囲の経済」
という言葉がある。
これはあんまり聞いたことがないかもしれないが、規模の経済の意味から、連想して少し想像してみてほしい。
なんとなく想像できたと思うが、意味は
「お互いに関わりがある複数の商品を、別々の企業で生産するよりも、一つの企業で生産するほうが費用が安くなる状態」
を範囲の経済が働いているという。
編集後記
規模の経済という言葉は、実務上でもよく聞くキーワードですね。
経済学上での定義を間違わないように説明しました。
お断り
当ブログは、「先生が教えを生徒に説明をする体(てい)」で書いていますので、ご理解の上ご参考にしてください。
もし、間違った表現などがあれば、こちらへ修正内容を添えてご連絡ください。
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