絶対優位でなく比較優位がスゴイ|国際貿易|ミクロ経済学(22)
リカードの比較生産性
国際貿易を考える上で、どのような利益を生み出すのか。というのを理解していく。
リカードの比較生産費説が、その考え方の基本となる。
私の妻は絶対優位
リカードの比較生産費説を理解するために、絶対優位の例を考えて見た。
絶対優位という言葉でまず思いついたのは妻だ(笑)
そこで、私と妻の能力の差を表1に示してみた。
妻は1回の食器洗いを30分、1回の洗濯を1時間30分でこなせる。
私が食器洗いをすると2時間かかり、洗濯は3時間かかる。
私は比較的、食器洗いの方ができると思っていたが、それでも妻には勝てない。
これは絶対優位ということだ。
私の比較優位は逆?
私は食器洗いの方ができると思っている。だから、私が手伝うのはいつも食器洗いだった。
ここで、比較優位について考えてみる。
比較優位を考えるために、表2のようにそれぞれの生産性の比率を割り出して見る。
妻は、食器洗いの生産性を1とすると洗濯は3になる。
私は、食器洗いの生産性を1とすると洗濯は1.5だ。
この場合、
私は洗濯に比率優位をもつ。
という。
なお、比較優位では、
すべての財(サービス)に比較優位を持つことはない。
つまり、私が洗濯に比較優位をもつということは、同時に、
妻は食器洗いに比較をもつ。
ということができる。
何故、貿易がスゴイのか
それでは、貿易がスゴイ理由を考えてみる。
比較生産費説では、各国か比較優位をもつ財(サービス)に専念し、足りない分を補いあえば両国の総生産性を上げることができる。
家事に戻って考えてみよう。
一週間のうち家事に割ける時間は、妻が15時間、私は12時間であった。
あるとき妻とケンカしてしまい、自分のことは、自分でやれ!となってしまった。
妻は食器洗いを12回、洗濯を6回できるが、
私は、食器洗いを3回、洗濯を2回しかできない。
夫婦合計では、食器洗い15回、洗濯8回となる。
その後、仲直りし、助け合い(貿易)をすることになった。
私達は、リカードが言うことを信じ、私が今まで専念していた食器洗いでなく、比較優位をもつ洗濯に専念することにした。
そうすると、あら不思議。
妻は食器洗いを18回、洗濯を2回、私は食器洗いをせず、洗濯を4回やれた。
つまり、夫婦合計では、洗濯の回数を減らさずに食器洗いを12回から18回に増やすことができた。
表3,4を参照
これが、リカードの比較生産費説である。
ちなみに、比較優位を無視して、今までどおり、私の直感に従って食器洗いに専念していたら、回数を増やすことはでていなかった。
(計算してみるとわかる)
というところが重要なポイントだ。
編集後記
この物語はフィクションです(笑)。
ご指摘質問等は、コメント欄にてお願い致しますm(__)m
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