独占市場とは要するにどういうこと?|ミクロ経済学(27)
独占市場
ここでは、不完全競争市場の最初のモデルとして、独占市場について、大事なポイントだけ、触れておく。
独占市場とは何か。
それは言うまでもなく、市場に一社しか存在しない市場の事である。
完全競争市場では、参入者はプライステーカーであり、価格は一定(というか市場から与えられる固定値)と考えて話を進めてきた。
つまり、完全競争市場と独占市場における、価格と1企業による供給量との関係性の違いは以下に図示している通りだ。
完全競争市場の価格は一定?
少し横路にそれます。
ちなみに、経済学レベルが私と同じくらい低い人はこの図を見て、ん?
と思った人もいるかもしれない。
そんなあなたはこうおもうでしょう。
あなた「価格の曲線、完全競争市場でも、右下がりじゃなかったっけ?」
右下がりなのは
需要曲線ですので。。
価格は一定です。
あなた「じゃあ、1企業がどんだけ供給しても価格が一定なの?」
そうです。完全競争市場の前提ではそうなります。
完全競争市場ではシンプルにするために、その前提を設けております。
ただ、十分に多くの企業が存在する市場では1企業の供給量が無視できるほど小さい為に、その前提が活きてきます。
ただ、無視できるほど小さいが、ゼロではないので、上の図の完全競争市場の図の価格曲線は少し右下がりに斜めなはずです。
その1企業の供給量が市場に存在する企業分の供給量になれば、右の独占市場の図と同じくらいに斜めになると考えれば分かりやすいんではないだろうか?
独占企業はこうやって儲けようとする
さて、独占企業の具体例は思いつくだろうか?
そう、東京電力だ。
電力市場をほぼ凌駕している。
電気代上げる上げないで揉めていた。
完全競争市場なら1企業が価格を上げる上げないと言っても影響は少ないが、独占企業の場合(かつ、生活インフラだから)とても影響がおおきい。
ここでは、独占企業がどのように価格を決めるのか、について考えてみる。
収益は以下の関数であらわされる。
Rx=Px × x
需要曲線を一次関数で表現すると、
Px=-bx+a
となり、
Rx=-bx^2+ax
となる。
これが収益関数だから
限界収益は微分した
Rx’=-2bx+a
となる。
これは価格曲線のY切辺と同じY切辺をもち、傾きが2倍の曲線となる。
独占企業は、限界収入に至るまで生産を続けるから、限界収入曲線と独占企業の供給曲線の交点が独占企業にとっての最適点となる。
図示
独占市場の余剰は?
独占企業の余剰は下記図示の通り、企業は嬉しいが消費者は困る。
社会的総余剰は、減ります。
編集後記
独占企業は供給を減らし価格を上げます。
ただ、東京電力の場合は、少々事情が異なりそうです。
それは、原子力の問題があり、限界費用も単純ではないためです。
しかしながら、どんな事情であれ、価格を上げるという行動は独占企業の特徴のようにも見えます。
つまり、東京電力に置き換わる企業が存在した場合には、起こせない行動です。
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