余剰分析を考えてみる|ミクロ経済学(19)

余剰とは
余剰とは、消費者や生産者の厚生を測る指標となる。
厚生とは、人々の生活や健康を豊にすることである。
つまり、消費者、及び生産者を豊にした指標となり、それぞれの利益と考えればよい。
余剰分析
需要曲線と供給曲線の関係から、課税した時などに余剰がどう変化するのかを考える。
中小企業診断士の試験を目的とする場合は丸暗記した方が効率的である。
余剰分析でのポイントは以下の二点だ。
完全競争市場の時に社会的余剰が最大になる。
政府による課税があると必ず社会的余剰は減る。
余剰は均衡点から価格(縦)軸に線をひき考える。
図1参照
需要曲線と縦軸との交点→均衡点→均衡点から水平に引いた線と縦軸の交点で結ぶ上の三角形が消費者余剰となる。
また、供給曲線と縦軸との交点→均衡点→均衡点から水平に引いた線と縦軸の交点で結ぶ下の三角形が生産者余剰となる。
そして、
消費者余剰+生産者余剰=社会的総余剰
となる
完全競争市場の余剰分析での試験対策としてはこれで十分。
この図1を覚えておけばよい。
上の三角形が消費者余剰である理由
消費者余剰は、消費にとっての利益と考えればよい。
消費者の利益ってなんだろうか?
消費者が買うつもりの金額より安ければ、消費者にとっての利益となるだろう。
図2のように需要曲線を引いて数量一つずつ増やすのを拡大して図示してみる。
左から一つ目の棒の長さ(高さ)は、財一つ目を購入するのに払ってもいい価格だ。
同じように左から二つ目の棒の長さ(高さ)は、二つ目の財を購入するのに払ってもいい価格となる。
ここで、消費者者が二つの財を購入するのに払ってもいい価格は、二つの棒長さの合計となる。
図2の紫の面積。
しかし、実際に二つ財を購入するのに必要な金額は、二つ目の金額の2倍だ。図3の緑の面積。
つまり、払ってもいい価格-実際の払った金額=消費者余剰=青の面積。
となる。
生産者余剰は下の三角形
次に、生産者余剰を考えてみる。
生産者余剰とは、生産者の利益だ。
利益ということは、以下が成り立つ。
売上-可変費用=利益
図3の図を参照。
供給曲線は限界費用であった。
限界費用は一つの財を追加で生産するのに必要な追加費用であった。
そのため、図のように紫で塗りつぶした面積が、費用の合計となる。
また、図3の例では数量5個を売上げた時の売上は青で囲んだ面積となる。
すなわち、
売上-可変費用=利益=生産者余剰=青で囲んだ面積
となる。
これら消費者余剰と生産者余剰の考え方だが、市場においては、数量は膨大な数として考えられる。
こうした考え方から図1がわりだされる。
編集後記
余剰分析は試験においては、それほど難しくはないと考えられます。
ですが、図示したときの点の数が多く、紛らわしいことが良く有るので注意しましょう。
▼▼▼続きを読みたい人は▼▼▼