代替財と補完財とは?|ミクロ経済学(14)
代替財と補完財
代替するとは?
バターが無いからマーガリンで代替する。
と言った意味で使われる言葉。
この場合、バターとマーガリンは代替財という。
特性が似ていて取り替えることのできる財である。
一方、補完財は片方の財を補完する特性を持つ。
例えば、携帯電話と携帯用アクセサリー。
片方の財がないと価値のない財を補完財という。
価格効果
以前の解説で、価値効果について触れた。
価値が上昇したときに最適消費点がどのように変化するかと言うことだ。
その最適消費点をつなげた曲線が需要曲線であった。
おさらいになるが、最適消費点とは、縦軸にy財、横軸にx財をとったグラフ上で、予算制約線と無差別曲線の接点となる点をさす。
さらに、x財の価格を縦軸に、x財の数量を横軸にとったグラフ上に、その点のx財の数量をプロットしていくと、需要曲線となった。
今回、代替効果と所得効果を考えるのに、縦軸にy財、横軸にx財の数量をとったグラフで考える。
価格効果はそのグラフ上で片方の価格が変化した時の消費点の変化である。
その価格効果はスツルスキー分解という分解方法で、代替効果と所得効果に分けられる。
代替効果と所得効果
スツルスキー分解では、
価格効果=代替効果+所得効果
所得効果は何となくイメージしやすい。
ただ、代替効果を考えてから、所得効果を考えるのが一般的なので、ここでもその順序に従う。
代替効果とは、
片方の財の価格上昇(低下)を、相対的なもう一方の財の価格低下(上昇)としてとらえ、効用水準が変わらないように消費比率を変えた時の消費点の変化
である。
グラフ上で示すと、現時点の最適消費点が含まれる同じ無差別曲線に接する予算制約線が、回転して新たな予算制約線になる。
その時の最適消費点の移動が代替効果になる。
通例では、左上から右下に消費点が移動する。
そして、所得効用とは、
両方の消費比率を変えずに、所得の変化ととらえた時の消費点の変化
となる。
グラフ上で示すと、新たな予算制約線が傾きを変えないまま、上方向に平行移動する。
価格が上昇(低下)した財が正常財の場合、最適消費は右下に移動した最適消費点がさらに右上に移動する。
また、価格が上昇(低下)した財が下級財(劣等財)であれば、最適消費点は左上に移動する。
ギッフェン財
ギッフェン財の定義は
価格の上昇(低下)したときに消費量が増加(減少)する財
となる。
これも代替効果と所得効果で説明できる。
代替効果の変化より、価格効果の変化の方が大きい財
つまり、通例では、グラフ上の最適消費点は、左上から右下に代替効果で移動し、所得効果でさらに左上に移動する。
編集後記
ギッフェン財とは、実例では、あまり良い例がなさそうです。
以下、引用です。
参照元:http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_3547.html
これは、代替効果が所得効果よりも大きく働く場合に起こるパラドックスで、ギッフェンパラドックスとも呼ばれる。
イギリスの経済学者ギッフェンは、19世紀のアイルランドでジャガイモの価格変動により、ジャガイモの需要量が価格上昇局面で増加し、価格下落局面で減少するという現象を示した。
これは、ジャガイモの価格が上昇すると、他の(ジャガイモより高い)食品を購入する余力が無くなり、結果としてジャガイモを購入せざるを得なくなる、逆に、ジャガイモの価格が下落すると他の食品を購入する余力ができ、結果としてジャガイモの需要量が減少するという代替効果によるものとされている。
お断り
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