確実な50万と多分100万あなたはどっち?期待効用仮説|ミクロ経済学(15)
不確実とリスク
不確実な状態とは、これから起こりうる事象が複数あり、その確率がわからない状態。
リスクのある状態とは、これから起こりうる事象が複数あり、その確率がわかる状態。
をさす。
ここでは、その2つの状態をわけて考えない事とする。
確実なのはうれしい。
期待値というのをしっているだろうか?
期待値とは、取りうる値とその確率をかけて、その総和となる。
例えば、
100万円が50%の確率でもらえ、もう50%の確率でいくらももらえない場合の期待値を考えると、
100万×0.5+0×0.5=50万
である。
一方、100%の確率で50万がもらえる場合の期待値も、
50万×1.0=50万
となる。
期待値は同じだ。
貴方はどっち選ぶ?
多くの人は確実な50万を選ぶだろう。
危険回避的な人とリスク愛好的な人
上述の確実な50万を選ぶ人のことを、危険回避的な人と呼ぶ。
また、50%の確率で100万を選ぶ人のことをリスク愛好的な人と呼ぶ。
グラフで図示してみる。
本ブログ、初、図!
スマホで手で書いているので、汚なさはご了承ください。
縦軸に効用、横軸に所得とすると、図Aが危険回避、図Bがリスク愛好的な人の効用曲線になる。
また、限界効用(=効用曲線の傾き)は、前者は逓減し、後者は逓増する曲線になる。
ちなみに、逓減(増)については触れてなかったが、減少とは、少々意味がことなる。
逓減(増)とは、
数量がしだいに減る(増える)ことである。
経済学では、危険回避的な人が前提となる。
確実性等価とリスクプレミアム
上の例では、ほとんどの人は確実な50万をとる。
それでは、確実な40万と50%で100万ではどっちか?
期待値は40万の方が低い。
私なら、それでも確実な方をとる。
そう同感する人は少なくないだろう。
この場合、差額10万をリスクプレミアム(リスクディスカウント額)と呼び、40万を確実性等価と呼ぶ。
私は個人的に30万でもそっちを選ぶが、30万だったらリスクのある100万を選ぶ人も出てくるかもしれない。
それは個人の効用関数により異なる。
確実性等価とリスクプレミアムの算出
リスクプレミアムは、以下の式になる。
リスクプレミアム=不確実性を伴う資産額の期待値-確実性等価
ある人の効用関数が、
効用U=√所得M
で示されるとしよう。
100万が50%の確率でもらえ、50%の確率で0になる場合の「不確実性を伴う資産額の期待値」は、
100×0.5+0×0.5=50万
また、その場合の期待効用は、
√100×0.5+√0×0.5=5
である。
効用が5だから所得になおすと、効用U=√所得Mから所得M=効用U^2となり、25万となることがわかる。
この25万が確実性等価となる。
つまり、この例の場合、
期待値=50万
確実性等価=25万
リスクプレミアム=25万
となる。
編集後記
私はウェブマーケティングに携わってますが、この期待効用仮説はとても参考になります。
広告ほど確実でないものはありません。
しかし、インターネット広告においては、ある意味効率を保証するアフィリエイトという仕組みがあります。
この仕組みで広告主も媒体もハッピーになったかといえば、ノーでしょう。
それはこの期待効用仮説を考えていないからともとらえられます。
物事を不確実な状態から確実な状態にするというのは、本当はコストが掛かる事なのだということを想定に入れていないから、ということだと思います。
特徴は、マインドマップで全体が見やすいところ。
また、出題されない論点を一生懸命がんばるより、出題されやすい論点を効率よく習得するという考え方になっています。
お断り
当ブログは、「先生が生徒に説明をする体(てい)」で書いていますので、ご理解の上お読み下さい。
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